やっちゃんのあぐだもぐだ
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福島産ビール考
我が宿のラウンジには福島産ビールが2種類置いてあります。一つはみちのく福島路ビール、もう一つはアサヒスーパードライです。両方とも生産工場が岳温泉から車で30分くらいのところあり、原料になる水はどちらも安達太良山系のもの。本宮のアサヒビール工場の強大なタンクの立ち並ぶ景観には圧倒されます。アサヒスーパードライはニコニコ共和国ビールでもあり、スーパードライになる前から岳温泉地域のビールシェアの80%位を閉めています。昨年8月31日にニコニコ共和国は日本国統合になりましたがニコニコ共和国ビールは各旅館にありますので、工場直送の福島産ビールを味わえます。
 一方の『みちのく福島路(じ)ビール』は年間生産量150klの福島市の地ビールです。こちらは10年の歴史を刻む地ビールです。現在の社長は吉田重男さん。生産は双子の息子さん達が手作りビールづくりを意気に感じてやっています。先日工場を見学するチャンスに恵まれ、生産工程や原料のことを教えていただきました。アサヒビールの生産工場とは比べ物にならないくらい小さな工場ですが、原材料の麦芽(モルト)に生きた酵母が作用して美味しいビールに成る工程が充分すぎるほど理解できました。それ以上に感動したのは吉田親子の職人魂とマネジメントの確かさです。ビールの種類は、ピルスナー、ヴァイツェン、デュンケル、レッド・エール、Oh!ラガー、ピーチエールなど7種類もありそれぞれ個性があり美味しいこと請け合いです。工場から30分以内の配達距離が重要ポイントであり岳温泉の他に、土湯、飯坂、福島市内のホテルに置いてあるようです。ビールの劣化を防ぐ為、ビン詰めの際に空気が入らない工夫だとか、すごい努力の結晶が福島路ビールであることを理解し、さらに美味しくビールを飲めるようになりました。岳の湯に浸かった後に飲む福島路ビールはまた格別の味です。是非、御賞味下さい。
裏山の恵み
裏山の安達太良山は色んな恵みを与えてくれます。暑さで閉口している時は、岳の湯に浸かるのが一番サッパリする方法です。梅雨時のジメジメした嫌な皮膚感覚、そして梅雨明け後の猛暑に一番肌に爽快感を与えるのは『岳の湯です』と言い切れます。岳の湯は時々白く濁ります。湯元の天候が悪い時や、湯樋に湯花が溜まって飽和点に達したときは濁ります。湯元の天候が快晴の時は、緑色がかった透明の温泉になります。PH2.48の酸性泉が8kmの湯樋で揉まれ柔らかくサッパリ感がする不思議な温泉だとも言えます。
春の恵みはたくさんありますが、安達太良のジダケは最高、日本一美味しいと思います。春も早めに残雪が消え、太陽の恵みをいっぱい受けたジダケが地面に少しだけ顔を出します。このジダケはちょっぴり甘く柔らかで、安達太良ならではの味わいです。
 秋は全国一発色状況のいい紅葉が自慢です。広葉樹林帯と照葉樹林帯が福島県で重なり、その真ん中に安達太良山が位置します。ツツジ科植物の垂直分布がここの狭い地域に顕著に見られます。複合的な植生の場所に、急激に寒気が入る地域だから紅葉の発色状況がいいのでしょうか。安達太良山の周辺で育つと色彩感覚が鋭くなります。有名な画家がたくさん輩出しています。
 冬の恵みはもちろん雪。11月の冬の到来を告げるようなヒンヤリとしたキリっとした空気がやがて安達太良山を白く蔽いスキーシーズンへと誘います。
 裏山の恵みについて言及しましたが、写真の『友と雪』碑の説明がしたくて前文を書きました。今日からお盆、迎え火を焚きます。お盆で還暦を記念して同級生のスキー事故供養碑まで行ってきました。建っている場所は篭山の近くの登山道脇です。この石碑は、昭和39年12月6日にスキー練習中に事故に遭い残念ながら4週間後に無くなった大内幟君の供養碑です。当時17歳、東京オリンピックの聖火ランナーをやった2ヶ月後のことでした。11月末から初雪を求め、初滑りの格好の場所が振り子沢であり、毎週末に山に登りスキー練習に励んでいた時の事故でした。安達太良山は色んな恵みを与えてくれますが、時として大惨事も引き起こします。当時の私達の年代はすごくやる気があり、猫の額くらいの斜面でも、歩いて何時間もかけてその場所まで行って練習しました。スキー事故も遭難も山崩れも本当は裏表です。気軽に登れてこんなに変化のある山は安達太良だけです。安達太良山に是非登ってみませんか?安全第一で……
安達太良高原は今が旬
先日、『野崎洋光と食の匠たち』と称する食のイベントが郡山のホテル会場にて開催され、福島県出身で有名な調理師の方々の料理を食べる機会に恵まれました。調理人は野崎洋光さん(分とく山・総調理長)、富澤貞身さん(ホテルメトロポリタン池袋「日本料理・花むさし料理長」)、金澤信人(京王プラザホテル中国料理「南園・アシスタントシェフ」)の3人。『福島を味わう』と名付けられた献立はそれぞれに美味しく、普段の量よりも遥かに多い量でもったいないくらいでした。献立表は、
〈先附〉茗荷豆腐、ニラとほっき貝の湯葉浸し、白河高原清流豚の焼豚
〈前菜は〉鮑の磯焼、
〈椀〉十念椀
〈造り〉中之作の鰹、相馬の水蛸
〈焼もの〉白河高原清流豚のココナッツ風味オーブン焼
〈煮もの〉あいなめ唐揚げ
〈口替り〉飯館牛和風ローストビーフ
〈強肴〉川俣シャモのバリバリ揚げ
〈止肴〉焼穴子と夏野菜サラダ
〈食事〉会津地鳥の鶏飯、紫黒米焼飯
〈デザート〉桃杏仁豆腐、青柚酪羹、桑の葉豆腐
文章では美味しさも満腹感も味わえないと思いますが、福島には良い食材が沢山あります。野崎洋光さんはいつも「野菜はうちの婆ちゃんが裏の畑で採ってきたのが一番うまい」と自慢します。
今回の食のイベントにはわが宿の調理師も参加し、野崎さんの言葉に触発され、早速旅館料理に応用しています。これほどざっくばらんに指導いただける有名調理人に身近にお目にかかれて大変に幸運です。野崎さんご指導の熱が冷めないうちの、我が宿の料理を味わいにどうぞお越し下さい。良き師のお教えを頂ききっと美味しい高原の味を提供できると思います。自然環境日本一の温泉と評価の高い岳温泉です。酸性泉は夏が気持ちいいですよ。写真は福島の3調理人です。
プールの話
あづま館が夏休みのお客様の楽しみの為に最初にプールを作ったのは昭和47年です。私が水上温泉の旅館修業から戻った時、父の第一声が「オイ、プールを作れ」です。これがキッカケでプールプロジェクトが始まりました。35年前の事です。デザインは、以前から父とのお付き合いがあった福島市の溝口建築さん、山の温泉に因んで小熊に決りました。建設の場所は玄関から一番遠い庭の片隅に作ることになり、丁寧に手入れされた芝生をはがしてタテ16メートル、ヨコ5メートル、子供用の浅いプールは小熊の顔をデザインに使った楽しいものでした。『小熊のプールの』愛称を屋外プールは、岳温泉に始めてのプールであり大人気、夏休みに入って子供会が連日押し寄せ、投資した分は初年度で回収してしまうことができました。プールの水は水道水がもったいないので、川の水を引き塩素剤を投入するだけです。35年前の岳温泉は川の水は各旅館の池に引き込み、それぞれの旅館が鯉を飼って旅館料理に提供していましたのでプールに活用するのは何の抵抗もありませんでした。それでも自然の河川水ですから、3日ごとに水を全取替えしなければ濁ってきます。自分が作った責任上、庭番の番頭さん達と3日ごとにプール掃除をした楽しくも冷たい記憶が蘇ります。
 さて、現在の陽日の郷あづま館のプールはというと全天候型のタイル張りの屋内プールで年中泳げるようになっています。平成4年のオープンですので15年経ちました。最初の設計では子供用のプールがメインプールの角に飛び出していたのを、オープンパンフレットを見た石井好子さんが「泳ぐ人と、水遊びをする人は目的が違うからココじゃないほうがいいわよ!」といって今の形になりました。余談ですが石井好子さんは母と大森の山王小学校、東京府立第6高等女学校の同級生で、有名なシャンソン歌手、水泳の70歳以上のマスターズクラスの世界チャンピオンだったこともある方です。設計監修・石井好子さんのプールは多分世界でただ一つです。夏休みに因んだ、我が宿のプールのお話です。水着を持ってお泊りにお出で下さい。
岳と土湯の話
岳温泉と土湯温泉間は13kmしかありません。この2つの温泉場を対比すると意外と面白い事に気がつきます。岳温泉の泉質はPH2.48の酸性泉、源泉地から8kmの引き湯をしています。一方、土湯温泉は単純泉で源泉は温泉地の近くです。岳温泉が引き湯なのは、1824年の山崩れで温泉街(当時は陽日温泉)が埋没全滅し、6kmも下部に移転して新天地に移転開業したからです。この時の引き湯の設計者は二本松藩の和算学者、土湯村出身の渡邊東岳であり、いわば岳温泉復興の立役者です。面白いことに、土湯は岳と違って町ぐるみの大移動をしてないので、独特の単語が残っています。その言葉はアラフドとゴンネツです。アラフドとは誰も入らなかった新雪に踏み入る事をいいます。いわばフロンティア精神でしょう。漢字は新踏土のようです。ゴンネツは強熱の漢字が当てられ徹底して議論し尽くすことを言うそうです。今風に言えば、ディベートとでも言うのでしょうか。この2つのポリシーは現代の日本人が忘れかけている大事な事のような気がいたします。特に山間地で生活していく基本原則だと思います。さらに、岳温泉と土湯温泉にはその他も共通する事があります。昭和57年東北新幹線の開業の時、山形県が今では伝説のデスティネーションキャンペーン「紅花の山形路」を仕掛け、わが福島県は何の手も打てなかったので、両温泉の取った奇策は岳がニコニコ共和国独立宣言、土湯がファミリー村の開村でした。この時は、村よりは独立国の方に軍配が上がりました。その後、土湯温泉は持ち前の2大スピリット『アラフド』と『ゴンネツ』を基本に手作りこんにゃくや雉料理で、したたかに町おこしをやってのけています。一方岳温泉は生ゴミのリサイクルから有機肥料作り、有機野菜活用の一旬一品運動から、日本一多様な散歩道を持つ観光地づくりとしてウォーキングを中心にした町おこしに取り組んでいます。今年は、4月から岳と土湯が共同で吾妻・安達太良『湯の里めぐり号』なる東京からの直通バスを往復6000円で7月31日までの運行しています。県内では、別々の市町村にまたがる温泉場が共同で事を仕掛ける事は類まれなる事なので、福島県内ではかなり評判になっています。でも首都圏には都市間バス運行が目白押し、まだまだ共同運行バスが大きな話題になるまでには至っていません。岳は町ぐるみで移転する度に、新規参入事業者やお婿さん、お嫁さんらから新しい血が入り新しい発想が生まれます。土湯にアラフドとゴンネツの単語があるのは、山間部の温泉場で培われた地域おこしの基本原則が強い情念と世間と隔絶できた環境のせいで残ったからに違いありません。両温泉場はお互いに競い合いながら新しい健康保養温泉地づくりに取り組み始めました。写真は吾妻・安達太良『湯の里巡り号』、是非一度お乗り頂きたくご案内いたします。
登山 OL ウォーキング
 5月の福島県は山開きが目白押しになります。また、毎週のように各地でウォーキング大会も行われています。5月13日は磐梯山の山開き、同じ日に我が社と福島中央テレビの共催でウォーキング大会が行われ400名の参加者の皆さんと12kmの岳温泉周辺のコースを楽しむことが出来ました。また、20日は安達太良山の山開き、例年の如く安達太良山頂での安全祈願祭に参加し山の恵みに感謝してまいりました。この日の正午、標高1700mの山頂付近は気温が3℃で強風が吹き荒れ、雪が舞う天候で、時折すさまじい強風に飛ばされまいと身をかがめるようなすごい天候でした。それでもくろがね小屋近辺まで下りると風も弱くなり、さらに温泉街周辺(標高550m)まで来るとまったくの別天地になります。わが家の周辺に登山やウォーキングを楽しめるバラエティーに富んだコースがあり、自慢できる自然条件であると自負しています。さらに、ウォーキングと温泉と有機野菜食の組合せで健康を前面に出せる温泉地でもあり、観光協会にはウォーキングインストラクターが常駐し、指導も案内も行っておりウォーキングで世界標準の温泉地づくりを目指しているのはご存知の通りです。
 6月10日にはオリエンテーリング大会があります。こちらも岳温泉恒例の行事になりましたが、ウォーキングと違って地図とコンパスを使ってポストを探す、いわば戦略的頭脳訓練のスポーツですが、安達太良高原ならではの地形をより深く楽しむことが出来ます。
 引き続き、6月12日にはノルディックウォーキングの講習会を行い、普及と指導者の育成を行います。ノルディックウォーキングで全身の筋肉の90%を使いより効果的に健康増進手法を身につけることもできます。
 登山、ウォーキング、オリエンテーリングなど山野を気軽に楽しめ、さらにノルディックウォーキングやパワーウォーキング講習などで歩くことに付加価値を見出せるのは自然環境抜群の福島県の中でも岳だけです。ウォーキングを核とした総合スポーツクラブ・岳クラブも2月に発足しました。クラブ会員になって岳温泉を基点にして健康づくりに挑戦する方法もあります、是非入会をお勧めします。詳しくは岳温泉観光協会まで。
二本松・酒と肴の話
二本松には造り酒屋が4社あります。二本松のお酒が美味いのは地理的条件と伝統の匠技が絶妙に融合しているからです。西の安達太良連峰と東の阿武隈山地の間を阿武隈川が大きく蛇行し、山が重なり合う地形は雨量と雷が多く、空気成分の窒素がイオン化しやすくおいしい酒米が取れる地形です。また、古い地質に属する阿武隈山系の硬水と、新しい地質の奥羽山脈系の軟水の両方の水脈から4社それぞれが個性ある酒水を使用しお酒が生まれます。この自然条件の良さと酒造りの伝統を頑固に受け継ぐ杜氏の技術が加わり金賞そろい踏みを実現しているのです。世界中に輸出されている大七、奥の松。安達地方だけで流通している、いわば『旅に出ない酒』の千功成、あだたら菊水と4銘柄すべてが個性あるおいしさを醸し出しています。
 安達太良山は万葉集に詠まれた最北の山です。二本松には室町時代に奥州探題が置かれ、江戸時代は丹羽家10万7百石の城下町として栄えた陸奥の要所でもありました。城が置かれた事実は冬でも降雪量が少なく、過ごし易い気候の良さにもあったと推察されます。こんな気候ですので根菜類の栽培が盛んで、イモ類、ネギ類、ゴボウ、人参、アサツキの出荷量も多くキュウリなども特産品です。頑固に昔ながらの有機農法を守り続けている専業農家が残り、有機飼料と酒酵母で飼育された酵母牛を旅館料理につかいます。おいしい大根、牛蒡、人参などを使ったザクザク汁や麹付け料理などが地域の伝統料理です。
 住んでいると地域の素晴らしさをつい忘れがちになります。安達太良山を中心にした安達地方は、空気も水も四季の移ろいも最高の場所です。そんな自慢を食の部分で表現するべく、創作マリアージュ膳なる酒と肴の創作料理を作ってみました。全銘柄が金賞酒である自慢の日本酒に、有機素材を使った郷土料理を中心に組み合わせ、海産物など地元で獲れないものは、産地直送にこだわっています。二本松の酒と肴の組合せで、第3の味が生まれ、フランス人のように『ボン・マリアージュ』と叫んで頂きたい思いがあります。創作マリアージュ膳を味わいに是非お越し下さい。
ウォーキング3周目に入りました
岳温泉が本格的にウォーキングに関わって3年。2005年3月にH.ガウダー氏がパワーウォーキングを岳に伝えたのが、理論的なウォーキングに取り組むキッカケとなり福島大学監修の下に歩みだしました。6月には日本初の指導者資格認定講習会が行われ53名のパワーウォーキングインストラクターが誕生しています。同じ3月に岳温泉を中心とし33のウォーキングコースを設定、ウォーキングマイレージの仕組みも作られ、9月には日本ウォーキング協会認定の温泉と健康リーグが始まりました。昨年6月からは、ノルディックウォーキングの導入を図り、ウォーキングに関わるジャンルが岳温泉にほぼ出揃いました。この間に、ウォーキング大会参加の為に草津、小国(九州)、東松山、玉造、下呂、蔵王、足摺、野沢、指宿、そしてドイツはバード・ザルツィンゲンまで岳の面々が出かけ『歩く岳で健康』のアピールをすることができました。
さて、3周目の今年2月からは地域総合スポーツクラブ『岳クラブ』が立ち上がり、さらに二本松市民にウォーキングによる健康づくりを浸透させる為のプロジェクト〈健康づくり大学〉が開始、岳温泉全体が健康保養型の滞在温泉地になる方向で進んでいます。
こんなウォーキング事情の岳温泉ですが、さらにウォーキングを地域の売り物とすべく日本ノルディックフィットネス協会の指導者研修会に岳から3人参加し、勉強することができました。今までのウォーキング理論と実践にさらに厚みが加わった研修内容でしたので、大いに『歩く岳で健康』のプロジェクトに役立てることができそうです。人間の骨格筋は660、脚に関する筋肉は430、腕は170、残り60が顔。ノルディックウォーキングでは90%の筋肉を使いますので、最大心拍数の40%?60%の心拍数で健康増進効果が得られます。パワーウォーキングでは60%?75%の心拍数を設定していますので、腕の筋肉が加わった分だけ心拍数が下になる事も理解できました。パワーウォーキングをガウダーさんから学び、ノルデイックウォーキングも本格的に学び理解度を深め、さらに保養温泉地づくりに活用するつもりです。写真は、JIFA(日本ノルディック協会)ナショナルコーチの高橋直博さんの本格的歩き方です。私も早くこんな格好で歩いてみたいと思います。岳クラブのウォーキングインストラクターのレベルもさらに上がりました。気候が良くなりましたので、是非お出かけ下さい。
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