やっちゃんのあぐだもぐだ
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ビエンナーレ2016進化中です
ビエンナーレ2016もいよいよ佳境入りです。9月9日のオープニング式から50日、日々進歩しているような気もいたします。私が各開催会場を巡り、同時通訳器を耳に世界の前衛芸術家の話も聞いて理解した範囲での紹介を致します。開催の場所も広く、芸術のジャンルも多岐に亘ります。
 二本松城天守台にはオノ・ヨーコの詩が空に向かって設置されています。このビエンナーレはテーマが『氣』、なぜか安達ヶ原が気になる展示です。伝説の安達ヶ原・黒塚は、妊婦の生き肝を食うというおどろおどろしたお話です。現存する鬼婆の岩屋、また鬼婆を埋葬した黒塚の杉の横には平兼盛の『陸奥の安達ヶ原の黒塚に 鬼籠もれりと聞くはまことか』の歌があります。鬼婆伝説とそれにまつわる現代アートがふるさと村の民家園にあり、前衛舞踏家による『KUROZUKA』も創作ダンスも披露され、手塚治虫のアニメ映画『安達ヶ原』も上映されました。未来の宇宙飛行士が時空間を越えて降り立った星に暮らす老婆が、その宇宙飛行士の昔の恋人であったという悲しい逸話が、逆説的にこのビエンナーレ展のテーマにも思えます。
原発事故によるアートへの影響のシンポジウムが男女共生館で開かれました。スイスの現代アート作家が描く左右対称が崩れた昆虫の絵は本来シンメトリーで豊かな色彩感を持つものが、チェルノブイリ原発事故後の明確な違いを表した展示には驚きます。
ヤノベケンジは、自分がアートに触れるようになったのは大阪万博の6年後であり、太陽の塔は残って居たけど、万博会場は廃墟の鉄骨であった。この万博会場を賄うエネルギーは当時発電開始したばかり原発がうたい文句であった。その6年後にチェルノブイリの原発事故が起こり、未来は廃墟であるのが現実になった。この廃墟の未来を現実の場として受け止めての創作活動のキャラクターが『フローラ』のようであり菊人形会場ではひときわ異彩を放ちます。11月3日には『銀河鉄道・999』の作家の松本零士による講演会が行われます。メーテルに出会えるかどうかが楽しみです。
智恵子の生家には小松三羽の作品がふすま絵と障子にシルエットになって展示されています(写真)。智恵子の実家の造り酒屋に現代アートの巨匠が同居している感じですが、ビエンナーレ展開催中で無ければ、決して見られない雰囲気があります。
二本松工芸館の『アリスのイス』は、まさに異空間のアートで伝統的な家具工房にて自分がアリスになったような感覚になります。
ビエンナーレの開催は11月6日までですが、大山忠作美術館にては『菊』をテーマに現代アートと日本画が共演中です。二本松の菊人形は11月23日まで開催中、秋の二本松の芸術性が高まって居ることは確かです。是非お出かけください。