やっちゃんのあぐだもぐだ
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二本松で不思議な芸術体験を
 今秋の二本松に伝統芸術と現代芸術が出そろいます。伝統芸術は言わずもがな提灯祭と菊人形。提灯祭りは丹羽家入府の20年後に二本松藩総鎮守として二本松神社を御両社として祀った時が起源で350年の伝統があります。当初は神輿の祭りで始まり、元禄時代には踊り中心になりました。寛政(1791)の頃から歌舞伎人形を飾る太鼓台出て、現在の形に近い唐破風の太鼓台になったのが仁孝2年(1819)からであり、中秋の名月の旧8月15日が本祭り日ですが、満月の日でも夜になると暗くなるので提灯が付けられて太鼓台が練り歩き現在に至っています。
 菊は藩政時代から愛好者が多く、昭和初期からは菊人形が町の随所に飾られてきました。二本松の菊人形まつりとして始まったのが昭和30年、今では日本一の規模を誇る菊人形展になりました。一本の茎から3000個もの花を咲かせる千輪咲や、色合も形も見事な菊の出展もあります。菊人形には『あっぱれ!ニッポン!世界に誇れる日本人』として菊を着た日本の偉人が登場します。菊のガーデニングゾーンは3年前からの新しい企画です。
伝統の芸術祭とビエンナーレ展と言う異質のものが時と場を同じくして開催される不思議な『場』が秋の二本松になりそうです。
 2年に一度の芸術祭である福島ビエンナーレの開催は2012年が初めてです。2014喜多方、2016二本松となりました。タイトルは福島ビエンナーレ2016【氣】=invication『長陽の芸術祭』。10月8日から11月6日までの開催ですが、ビエンナーレ展と提灯祭と菊人形展とが同じ時期に重なるのは前代未聞の事、不思議な感覚に陥りそうです。
 このビエンナーレ展の時間軸のオープニングイベントは既に9月9日に重陽の乾杯として二本松城本丸跡と安達ケ原ふるさと村で開催され、ダンス公演・KUROZUKA『闇の光』の上演、さらに安達文化ホールでは『智恵子抄』フィルム上映会などが行われました。10月5日の『レモン忌』は智恵子の生家での詩の朗読と上川崎和紙の灯篭、墨絵制作と続きます。10月8、9、10日と国際的に活躍している女性アーティストによる智恵子の顕彰。また、海外からの市民科学者によるチェルノブイリと福島の現況シンポジウム開催などを皮切りに、『オランダアートの現在』の講演会、映画『黒塚』やSFファンタジーアニメーション『安達ケ原』の上映や音楽会、上映会、講演会と様々な芸術祭が続きます。
 空間的には二本松市街地と安達ケ原を中心に展示イベントなどが開催されます。大山忠作美術館では所蔵の日本画とともに、若手作家を中心とした『菊』の作品が展示され、同じ3階の市民ギャラリーでは『氣』をテーマとした、映画、映像作品、アニメーションに関わる作品の展示がなされ、どんな「場」が出現するのやら楽しみです。
 その他、市内各地の個性ある店舗が展示場になり作品が出そろいます。二本松藩ゆかりのオノ・ヨーコの出展の詩『Make a sky under a thunder storm』は二本松城天守台跡に設置されました。写真は菊人形滝の場面でのヤノベケンジ+増田セバスチャンの大人形です。不思議な文化体験が出来そうな二本松の秋です。