やっちゃんのあぐだもぐだ
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あだたら学事始め
安達太良に関することは何でも研究して文化的資料に落とし込み後世に伝えて行こうという岳温泉文化協会と言う団体があります。平成13年春に創設され文化的研究全般を行っております。この団体の創立5周年記念誌『根びらき』を見ると初期の活動内容が見えてきます。初代会長は二瓶義松氏(故人、現くろがね小屋初代管理人)事務局長が鈴木孝雄氏(東雲堂医院院長・現・文化協会会長)で調査員の肩書を持つメンバーの顔触れは様々です。酒造会社社長、植物の研究家、登山家でペンションオーナー、温泉会社社長、元教員、世界中を今も歩き回っている現役の登山家等々です。最初の岳温泉文化協会会報を見ると創立時の思いが伝わって来ます。
初年度から会報が発行されており、テーマから活動内容が見えてきます。リュウキンカ観測会、ブナ原生林観測会、黄判沼のモリアオガエル観測会、旧登山道見て歩き・登山道を探る、仙幽・硫黄採掘場跡探索報告、春の前ヶ岳登山報告、円東寺跡探索記、塩沢の老木を訪ねる山行、安達町大谷地のリュウキンカと山の入りダム、深堀街道見て歩き、隠れ谷地探索行、湯川渓谷を探る、姫沼観測会、ヒメボタル観察会、二合田用水路探査などです。
創立5周年記念誌を見ると、会報で報告された以上の文化協会全体の幅の広さと奥の深さが見えてきます。特にヒメボタル観察記録については特異性が覗えます。設立当初から毎年6月下旬から7月上旬にかけて夜の8時から1時間程度の観察がなされヒメボタルの発生地域、期間、観測地点と生息数などが報告書に上がっています。このヒメボタルについては平成13年から18年間の観測結果を今年の夏に二本松市長を通じて報告されることになりました。ちなみにヒメボタルが観測され全国のヒメボタル研究のきっかけになったのが昭和37年に奥岳付近の観測が最初で、昆虫学者の大場信義博士によって始められたようであり、安達太良における観察の重要性が分かります。ヒメボタルは陸生のホタルの為に人が立ち入り過ぎると成虫を踏み荒らし戸数の減少につながる恐れがあるので本年度までは公表を控えてきました。今年の夏、初めて市教育委員会と共同で現地の調査が行われ、来年の夏前には何らかの告知もあるかと思いますので楽しみにお待ちください。
  直近の岳温泉文化協会の活動に『かぎろいを見る会』がありますが、冬至直後の十六夜の朝、東の空の夜明け前にかぎろいを見て、さらに安達太良山を振り返ると月が傾く瞬間を見る集いです。「ひんがしの 野にかぎろひの立つ見えて かえりみすれば 月かたぶきぬ」人麻呂。この歌は奈良の地で詠んだのでしょうが、柿本人麻呂も歌枕に安達の真弓を歌っています。奈良時代に安達に来たの?ってな疑問も解けるかもしれませんので、『かぎろいを見る会』に参加してみませんか。実施日は平成30年1月3日早朝5時鏡が池集合です。晴れれば『阿武隈山地に『かぎろいが立つ』と『安達太良山に月かたぶきぬ』が見えるかもしれません。
 『あだたら学事始め』として、ここに研究成果を公表いたしたく思います。次回以降もよろしくお願いいたします。