やっちゃんのあぐだもぐだ
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安達太郎は伝説の道
 安達太良山には7つの登山口があります。今回は伝説の登山道をご案内します。安達太良縁起によれば『安達の郡主、安達太郎は、田地が岡に城を築いて郡内を支配し、隣郡の信夫の荘司の息女を娶り一男を産み嫡子とした。時の奥羽国司は多賀城に住む酒色を好む暴れ者であった。あるとき、太郎の妻が稀有の美女と聞き、父親の信夫荘司に対し「太郎を誅して妻を奪い取れ、従わなければ、お前を殺す」と脅かした。荘司は恐れて兵を起し、安達太郎を攻撃した。太郎は敵陣の囲みを破ってようやく逃れ出たものの、田地が岡へ戻る事ができないまま、鎌倉に赴いた。太郎の妻は夫が戦に敗れて死んだものと思い、自らの剣に倒れてしまった。太郎は忠臣箕輪大夫と鬼王丸は、幼児を守りながら安達岳に逃れたが、信夫の兇徒は、これを追って山の中を捜索した。危険を悟った箕輪大夫と鬼王丸が、助けを神に誓ったところ、忽ち逃散してしまった。しかし、里へ下りることもできず、食料も尽きて途方にくれた。このとき一老婆が現われ、猪苗代に案内してくれたので、ようやく助かる事ができた。やがて幼児は成人して元服して安達二郎と称した。そして安達岳に太郎の廟を建て、安達太良明神として祀り、また、箕輪大夫を追悼して箕輪山に箕輪権現として祀り、更に鬼面山に鬼王丸の廟を建てて鬼面骨明神として祀った。二郎は、阿武隈川で遊泳の折に出会った美しい娘を妻とし、やがて生まれた男子を二本松三郎と名付けた。この安達一族は、後に姓を改めて畠山と称した。安達岳には十峰あって安達太良山を主山とし、連なる各山を末山とした。(天保12年、相応寺蔵)』というお話です。
 この物語に因む格好の登山コースが野地温泉から安達太良山頂を目指す縦走ルートです。野地温泉登山口(8:30出発)からブナ林の坂道を抜け鬼面山(1481m)へ急峻な道を一気に上ります。鬼面山は名前のとおりの絶壁ですが垂直の壁は木々に覆われています。強い北西風が稜線を越え東南側はいつも霧がたちこめるような気象状況を作り出しています。鬼面山山頂へはほぼ50分で到着(9:20)します。さて山頂についたとたんに鬼の頭を下ります。霧が出ていると下山コースを右に(西に)ずれる恐れもあるので要注意です。箕輪山と鬼面山の鞍部は潅木が覆いかぶさる道。箕輪山への登りは長くまた雨水にえぐられた道はつらい登り坂です。鞍部から約1時間で箕輪山頂(1718m)に着きます(10:50)。晴れていれば大パノラマが圧巻です。ここからは鉄山(1709m)への道は快適な下りで笹平分岐を過ぎ荒涼とした弥陀ヶ原にある鉄山避難小屋(11:50〜30分休憩)でいっぷくと行きたいところです。小休止の後、鉄山から沼の平噴火口を覗き、馬の背に下り月のクレーターのような火口を右に見ながら矢筈が森への滑りやすい道を通り牛の背に出ます。赤色の乾いた土が現れるとすぐに安達太良山山頂(13:30)ですので霧がかかっているときは目印になります。安達太良山頂(1700m)の愛称は乳首山ですが山頂はゴツゴツの岩山、鎖と梯子が設置されており誰でも山頂を征服できます。山頂からの下りは五葉松平を経由し、薬師岳山頂駅まで約1時間(14:30)。あとはゴンドラ下山し無事到着です(到着14:40)。
 室町時代にこの地域を治めた畠山3代の物語を安達太良連峰の縦走コースで連想するのも楽しいものです。装備万端でトライしませんか?