やっちゃんのあぐだもぐだ
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2006/08 の記事一覧
ニコニコ共和国の観光戦略
 ニコニコ共和国が誕生して早や25年、4分の1世紀が経過しました。1982年4月28日が独立記念日です。このセンセーショナルな観光地戦略は予想以上の結果をもたらし、それまでは考えても見なかったマスコミの取材攻勢に岳温泉全体が巻き込まれ、全国にミニ独立国誕生ブーム火付け役になりました。UPI電として世界中にニコニコ共和国独立宣言のニュースが飛び交い、岳温泉の夏休みも空前の賑わいを見せました。あれから25年、今年もサマーフェスティバル開国式から一連のイベントが行われ連日岳温泉のスタッフがお世話に奔走いたしました。
 さて、このニコニコ共和国も25年を以って日本国統合となります。8月31日の大統領主催・最後の晩餐会にて、ひとまずバカ騒ぎイベントは幕を下すことになります。25年前に右肩上がりの経済環境の中で考えられた観光地戦略を根本から見直すきっかけにし、新しい時代にあった形に改革していくことが目的です。共和国通貨コスモはこれからも日本円と同時に使われます。余談ですが、コスモは大不況対策の地域通貨としの機能は大きな役割がありました。旅行商品やスキー大会の賞品にも使われ、財貨を岳温泉にだけ25年ももたらした通貨ですから絶対ないがしろにはできません。また、ニコニコ共和国ビール、大統領推薦ニコニコラジウム卵、ニコニコラーメンなども大事な特産品でありより販売増になるように智恵を出し合いたいものです。
 9月からはニコニコ共和国の成功体験を捨て去り、新しい岳温泉の観光戦略を具体的行動に落とし込んでいきます。大きな柱は健康保養温泉地づくりという名の連泊滞在型観光地づくりです。日本の温泉場は1泊2食付の形態がほとんどで、すべてが旅館の中だけで事足りてしまいます。街に人が出ても何もなく、滞在客には不向きな温泉場がほとんどです。9月11日からの20日間を『復興100年の大実験』と称して、連泊滞在型の観光地づくりのテストマーケテイングを致します。一つの旅館に泊まっても夕食は別のレストランや旅館でも食べられるようにも致します。滞在中の過ごし方としてはトレッキング、ウォーキング、オプショナルバスツアー、宿パビリオンでの催し物などこの20日間を大実験期間として組み立てなおします。告知期間が少ないのが難点ですが、是非大実験期間にお泊りいただき岳温泉の滞在を大いに楽しんでください。日本の温泉場ではなし得なかった泊食分離の連泊滞在型初挑戦です。何とか成功させてみたいと思います。
観光開発は汗と情熱
 最近はどんな市町村でも観光立市を訴えています。小泉首相の一言でようやくインバウンドに力を入れ始め、2010年までに訪日外国人を1000万人に増やすプロジェクトも進行中であり、あとは観光客を受け入れるべく国際水準の観光地づくりが大事になってきたと思います。
 外国人観光客が増えても、日本の観光政策の遅れは大きな問題になるように感じます。日本国中伝統的街並みが破壊され、海岸線はテトラポットだらけになり、山岳河川は砂防ダム景観になってしまいました。首相の大号令が運輸機関や旅行会社を動かし、確かにインバウンドを増やしつつあることは確かです。しかしながら、観光先進地のスイス、スペイン、フランス、アメリカはもちろん、東南アジア諸国と比べて、受け地としての魅力に競争力はあるのでしょうか。今まで破壊しつくした街並み、海岸線、川筋を日本的で魅力的な状態まで戻し、繰り返し日本を訪れてもらえるような観光地に日本全体を再び作りかえる必要があると思います。
 さて、今年は岳温泉復興100周年の年。100年間の観光開発の歴史をきちんと顕彰し、これからの100年を間違いのない方向に導かなければと思っています。私は祖父母や父から、引き湯の大変さをよく聞かされました。大正時代、冬期間はお客様がほとんど無く、炭焼きをして生計を立てていたので、スキー場の開発に踏み切った話などを聞いて育ちました。2番目のリフトが完成した時、父の年代の人たちと我々子供たちもスキー場の整備を手伝い、伐採した唐松の枝を運んだ記憶があります。昭和57年のニコニコ共和国独立の年は、国境看板の丸太をみんなで運んで皮を剥いだこともあります。バブル期に作られたスキーリゾートの開発手法とはまるで正反対の開発手法です。効率は極めて悪くとも、コースに地域のみんなの汗が浸み込んでいます。生きた観光地づくりの姿はこういうことなのでしょう。
 岳温泉は一昨年から日本一多様な散歩道をもつ観光地づくりに取り組んでいます。手作りの丸太標識やら、丸太の階段なども少しずつ整備されています。ウォーキング自体が地味なスポーツで、ウォーキングコースが沢山あるため、整備状況がなかなか見えてきませんが、間違いなく一歩ずつ進んでいますので、是非ウォーキングにお出で下さい。写真は8月3日に万葉浪漫コースの急坂部分135段の階段を整備し終わった直後の写真です。間伐材を払い下げてもらい、一人で200本もの木を切り出し最初のきっかけを作っていただいた高畠さんの情熱には特に感謝いたします。梅雨の上がらない中、何度も作業に出てくれた観光協会のメンバーの慣れない力仕事に対しても深く感謝したいと思います。この階段はみんなの汗が染み付いた階段です。ウォーカーの皆さんには必ず喜んでもらえるはずです。若い観光協会メンバーもカケヤの使い方を習得でき、次世代への観光開発の原点が伝わったかと思います。成果のなかなか見えないウォーキングによる観光開発ですが、ハートビッヒ・ガウダーさんの格言どおり『ゆっくり歩くことをおそれるな。立ち止まってしまうことをおそれよ』をいつも胸に、観光開発に努力したいと思います。